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2008年11月01日(土) 09時57分

52年ナベヅル見守り長官表彰中国新聞

 周南市八代のナベヅルを見守り続けて52年になる同市ツル保護研究員の河村宜樹さん(75)=光市虹ケ丘=が、文化庁長官表彰に決まった。6日、東京で式典がある。今季第1陣となるナベヅル2羽の飛来が昨年より8日遅れの31日朝、確認された。10年来、観察し続けているつがい。「お祝いに来てくれたんでしょうか」とほほ笑む。

 ねぐらの実地調査を手掛け、約30カ所の水田を特定するなど生態調査を続けてきた。住民団体や行政と連携して、自然環境に近い餌場やねぐらの整備の訴えも。「表彰はお世話になった皆さんのおかげ」と控えめだ。

 社会や国語の教員として1956年、当時の八代中に赴任したのがツルとの付き合いの始まり。教員宿舎の上空を飛ぶナベヅルの羽音が目覚ましになった。早朝、山の中を歩いていて、水田で眠っていたツルが飛び立った。その驚きと感動が今も続いている。

【写真説明】「鳴き声も姿も美しいナベヅルの飛来を絶やしてはいけない」と訴える河村さん

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200811010019.html