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2008年11月01日(土) 15時01分

<新銀行東京詐欺>マージンで株取引 400万円つぎ込む毎日新聞

 新銀行東京(本店・東京都新宿区)の融資詐欺事件で、同銀行元契約社員、青木千代美容疑者(56)が融資先からキックバックさせたマージン約400万円をすべて株取引の資金につぎ込んでいたことが分かった。不正融資でノルマを達成した見返りに支給された成果手当も投資に使っていたという。警視庁捜査2課は、青木容疑者が不正融資に手を染める動機が株取引の資金稼ぎだったとみて追及する。

 青木容疑者は06年9月、不正融資に協力した手数料として、融資先のソフトウエア開発会社「アシストプラン」(大阪市)会長、大丸正志容疑者(46)から100万円を受け取っていた。さらに、以前の勤務先の元同僚で金融ブローカー、渡部善和容疑者(49)から紹介を受けた3件の融資で計約300万円の謝礼を受け取っていたという。

 調べでは、青木容疑者は当時、株取引にのめり込み、資金を必要としていたという。不正融資で約400万円のマージンを得たもののすべて使い切っていた。「半年で融資額10億円」というノルマをクリアして得た約70万円の成果手当もつぎ込んでいた。しかし、多くの取引で失敗し、多額の損失を出していたという。

 青木容疑者は新銀行に在籍した1年3カ月間で約100社に約23億円を融資。池袋出張所の中でノルマをクリアした随一の営業マンとして知られていたが、一方で約3億6000万円の焦げ付きを出していた。

 元行員によると、成果手当は融資先の倒産や返済延滞にかかわらず融資実績だけで支給されており、捜査2課は青木容疑者が株取引の資金を手に入れるため、なりふり構わず融資を進めたとみている。【杉本修作、酒井祥宏】

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