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2008年11月01日(土) 01時10分

<航空幕僚長>田母神氏「淡々と従う」 識者らは批判毎日新聞

 田母神俊雄・航空幕僚長は31日夜、東京都渋谷区の自宅前で、論文発表について報道陣に「来週に落ち着いてからお話しさせていただく」と話した。更迭を伝えられた心境は「あとは淡々と政府の指示に従う」と答えた。「論文に書いたことは持論であり、変更するつもりもないのか」との質問には「まあ、そうでしょうな」と話した。【町田徳丈】

 ◇「立場をわきまえず」…識者ら

 ▽軍事アナリストの小川和久さんの話 田母神氏の論文公表は、空自トップとして立場をわきまえない幼児的な行動だ。内容も非科学的で、自衛隊をはじめ、日本に単純思考のタカ派が台頭しているのではないかとの警戒感を世界に与える恐れがある。国家の存亡を左右する組織トップの不祥事だけに、厳しく処罰されるべきだ。

 ▽作家の梁石日(ヤン・ソギル)さんの話 航空自衛隊のトップがあんな論文を書くようでは、本当にシビリアンコントロールが働いているのかと思わざるを得ない。旧満州や朝鮮半島が、日本政府と日本軍の努力によって生活水準が向上したなど、とんでもない妄想だ。なぜこのような極右の人物を空幕長にしたのか。こんなことでは日本が本質的に軍国主義から脱していないと、アジアの国々から思われかねない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081101-00000006-mai-pol