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2008年11月01日(土) 01時56分

新銀行東京詐欺 リ社とアシスト社、上野出張所でも不正産経新聞

 新銀行東京の融資金詐欺事件で、不正融資先の給排水設備会社「リフレックス」から融資金の大半を受け取っていたリ社関連会社「アシストプラン」が平成18年3月、同行上野出張所から融資を引き出した際も偽造した決算書を提出していた疑いが強いことが31日、警視庁捜査2課の調べで分かった。両社が指定暴力団山口組系組員の仲介で密接な関係が始まっていたことも新たに判明。同課で詐欺グループの実態解明を進めている。

 調べでは、アシスト社は18年3月、同行上野出張所の窓口を訪れ、5000万円の融資を申請したが、その際、虚偽の決算書を提出していた疑いが強いという。逮捕容疑となった同年9月のリ社への不正融資では、売上高を約3倍に水増しした決算書を同行池袋出張所に提出しており、同様の手口だったとみられる。

 民間信用調査機関によると、アシスト社は当時、関西の銀行支店や地銀などから計約14億円の借入金があった。その返済は滞り、資金繰りが悪化したため、新たな借り入れ先として融資審査の甘い新銀行東京に目をつけたとみられる。

 上野出張所からの融資は1年5カ月後の19年8月から返済が滞り、約3600万円が回収不能となっている。

 こうした状況から捜査2課は、詐欺行為を考案したとされるアシスト社会長で指定暴力団住吉会系元組員の大丸正志容疑者(46)やブローカーらを「詐欺グループ」と位置づけている。

 リ社を実質的に取り仕切っていたのはブローカーの松本順也容疑者(45)で、社長の諸隈寛容疑者(49)とブローカーの渡部善和容疑者(49)の3人は、かつて別の給排水設備会社で同僚だった。

 リ社側とアシスト社の関係が始まったのは16年ごろ。資金繰りに困っていたリ社が山口組系組員に相談し、組員が紹介したのが大丸容疑者だった。以降、アシスト社はリ社の給排水設備業の「総代理店」になったが、実質的には大丸容疑者らアシスト社側がリ社を支配していた。

 大丸容疑者は調べに容疑を否認した上で、社内の立場についても「いわゆる顧問的なことをしてる程度だった」と供述している。

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