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2008年11月01日(土) 06時13分

商工ローンを集団提訴 岩手の企業や宮城の女性ら河北新報

 商工ローン大手のSFCG(東京)に違法な債権回収をされ、精神的苦痛や信用棄損を受けたとして、宮城県の女性(70)と岩手県の食料品・飲料水販売会社が31日、SFCGと同社社長に計約630万円の損害賠償などを求める訴えを仙台地裁に起こした。同社を相手に、仙台や秋田、東京など七地裁に同日、計68人が起こした集団提訴の一環。

 訴えによると、SFCGは9月中旬、原告女性に文書を送付し、担保不動産の評価割れが生じたとして即時に一括返済するよう求めた。女性は2004年から同社に返済を続けているが、遅滞などはなかった。

 原告会社は2000年からの返済で遅滞がなく、約240万円の過払いも生じているのに、SFCG側は10月、原告会社の本部会社に売掛金の譲渡が目的の「債権譲渡通知書」と題した内容証明郵便を送付した。

 原告女性は「抵当に入っている自宅を失うのではないかと不安にさせられた」、原告会社は「本部の信用を失い、代理店契約を打ち切られかねない」と主張している。

 原告女性への回収をめぐっては、仙台市の弁護士らが宮城県に9月、県内のSFCG子会社に貸金業法に基づく業務停止か業務改善命令を行うよう申し入れている。

 債権回収問題に対し、SFCGは自社のホームページで「苦情の問い合わせもあるが、担当者が十分に説明し、納得してもらっている」などとしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081101-00000011-khk-soci