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2008年11月01日(土) 08時01分

【Re:社会部】言葉の「意味」裏腹に産経新聞

 本来は、人をほめるニュアンスのある言葉なのに、使い方によっては裏腹に否定的な意味を持つ言葉があります。

 たとえば「好人物」は「俗に、人のいいのだけが取り柄(え)で、ものの役に立たない人の意にも用いられる」(三省堂の新明解国語辞典)そうです。「天真爛漫(らんまん)」には「無知」や「世間知らず」という意味もあります。

 これらの言葉を自分に使われて、うっかり喜んだりすると、恥をかくことになるかもしれません。言葉の裏に何か別の意味はないか、ちょっと疑ってみたほうがよさそうです。

 このところ連日のように、食品の「安全」にかかわるニュースが飛び込んできますが、こんなことばかりが続いていると、「安全」という言葉にも、やがて素直には受け止められない意味が生じてしまうのではないかと心配です。

 伊藤ハム東京工場の地下水からシアン化合物が検出され、公表が1カ月も遅れるという問題が起きたとき、テレビのインタビューで「国産までもが…」と話している男性がいました。何を信じたらよいのでしょうか。世間には食品に対する不信が渦巻いています。

 いつになったら、疑うことなく、深読みすることなく、「安全」といえる食品ばかりになるのでしょうか。特効薬はないものでしょうか。(秀)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081101-00000107-san-soci