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2008年10月31日(金) 12時01分

選挙:衆院選 解散見送り 景気対策、それとも民意 自民理解、野党は怒り /千葉毎日新聞

 「景気対策が先」か「民意を問うべき」か——。麻生太郎首相が30日の会見で、当面、衆議院を解散しない意向を示し、総選挙は年明け以降に実施される見通しとなった。県内の自民党候補予定者が首相の判断に理解を示す一方、早期解散を求めてきた民主党など野党関係者は憤りを隠さず、有権者からも賛否両論の声が上がった。【神足俊輔、袴田貴行、駒木智一】
 ◇有権者からは賛否両論
 今月上旬に千葉1区から出馬表明したばかりの自民新人、臼井正一氏は「空白を作る時期ではない。新人の自分にはチャンスととらえて、活動していきたい」と前向きに受け止める。麻生派で千葉5区の自民現職、薗浦健太郎氏は「首相は解散について何も言っていない。周囲が騒いでいただけ」と冷静な表情。同区は民主の候補予定者の内定が取り消されたが、今後も「自分のできることをやっていくだけ」という。
 千葉7区の民主現職、内山晃氏は「昨夏の参院選で示されたように、最新の民意は民主にある。郵政選挙の置き土産でやっている政権。先送りには強い怒りを感じる」と早期解散を求めた。千葉9区から出馬予定の民主新人、奥野総一郎氏は「一人でも多くの有権者に訴える機会が増えた」とする一方、「景気対策は、解散しない理由にはならない」と話した。
 連立与党の自民、公明両党関係者の見解には微妙なずれも。自民党県連の本清秀雄幹事長は「追加経済対策は国民の生活を考えてのこと。首相の判断は立派だ」と評価。一方で、公明党県本部の吉野秀夫代表は「見送りはやむを得ないが、来年度予算の策定は民意を得た政権が担うべきだ」と早期の解散が望ましいとの考えを示した。
 一方の野党。民主党県連の河野俊紀幹事長は「解散見送りは支持率を考えてのことにすぎない。末期症状としかいいようがない」と批判。共産党県委員会の浮揚幸裕委員長も「放り投げた政権を拾っただけ。早く選挙を」。社民党県連合の村上克子代表は「政策ではなく、政局を優先してのことだ」と述べた。
 有権者の声はさまざま。成田市の和菓子店店長の男性(46)は「政権の人気がないのがわかって逃げただけ。思い切って解散した方が良かった」と批判的。佐倉市の主婦(27)は「株安や世界同時不況への対応を最優先にしてほしい。今は選挙などやっている場合じゃない」と話した。

10月31日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081031-00000063-mailo-l12