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2008年10月31日(金) 23時11分

<エムケイグループ>保育施設29カ所を閉鎖 資金繰り悪化毎日新聞

 関東地方を中心に「ハッピースマイル」の名称で保育所などを運営する「エムケイグループ」(東京都豊島区、初見雅人社長)は資金繰りが悪化し、すべての保育施設29カ所を1日から閉鎖する。6、7カ所は近隣保育園などに全面譲渡する方針だが、残りは未定。突然の閉鎖に「通知が遅い」など保護者からは怒りや戸惑いの声があがっている。

 初見司副社長によると、閉鎖するのは保育所、学童クラブ29カ所で園児は計約300人。30日夜に電話で保護者の一部に閉鎖を伝え、31日に来園した保護者には文書を配った。グループは08年以降、資金繰りが悪化。7、8月は社員や保育士への給料の支払いが遅れた。10月20日ごろには取引銀行に口座を凍結され、一時解除されたが27日、再凍結された。29日以降、社長とは連絡が取れないという。

 3万〜4万円台の保育料は月末払いで、11月分は全額収納されている。初見副社長は「詳細は社長しか分からないが、業務拡大で借り入れが増え、定員割れがあったと聞いている。可能な限り返済に努め、行き先のない園児を出さないよう関係機関に協力を求めたい」と話した。

 約20施設がある埼玉県。長男(3)を草加市の保育所に迎えに来た20代女性は30日夕に園長から休園を告げられた。女性は「これから受け入れてくれる保育所を探す」と困惑した。さいたま市南区の保育所に娘(2)が通う男性会社員(32)は「今朝、電話して知らされた。突然過ぎる。11月の保育料が引き落とされているのも納得できない」と憤った。

 さいたま市は市内5施設に職員を派遣し、状況を調べるとともに受け入れ施設探しを始めた。草加市には「他施設はないか」と約10件の問い合わせが相次いだ。

 東京都によると、9月に中野区に保育所1カ所(定員30人)が認証保育所となり、8人が在籍している。石原慎太郎知事は31日の定例会見で「保護者に説明もなしに、突然閉鎖するのは論外。子供たちが次の施設に移れるまで責任を持って保育をしろと指導させている」と述べた。【川上晃弘、山崎征克、西田真季子、須山勉】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081031-00000159-mai-soci