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2008年10月31日(金) 13時27分

消費税引き上げ、麻生首相「景気回復が前提」と軌道修正産経新聞

 麻生太郎首相は31日、首相官邸で記者団に対し、30日の記者会見で「3年後に消費税の引き上げをお願いしたい」と発言したことについて、「景気対策が正直3年くらいだと思っている。少なくとも、景気が回復してある程度のパイが大きくなる前提でないと増税は極めて難しい」と述べ、3年で景気が回復していなければ増税は難しいとの認識を示した。

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 増税の判断基準としては「GDPの伸びだ。マイナスとは言わないが、今はゼロだ」とも強調した。

 また、月刊誌「中央公論」3月号で「消費税を10%にして基礎年金を全額税負担に」と提言したことについて「基本的には1つの案だが、少なくとも1つの方法として、無年金者がなくなる全額税方式がいいと今でも思っている。(税率10%は)もっと低くできるという説もあるのでわからない」と述べた。

 首相の記者会見での発言をめぐっては、与謝野馨経済財政担当相が31日午前の閣議後の記者会見で「(3年後には)経済がたぶん回復しているだろう、と想定された発言だろう」と述べた。その上で「(持続可能な社会保障構築と安定財源確保のための)中期プログラムを作り、3年後にスタートさせるが、現実にスタートさせられるかどうかは経済状況、行政改革の進展度を身ながらやる」と述べ、理解を示した。

 河村建夫官房長官も記者会見で「無条件に上げるわけではない」と述べた。

 30日に政府・与党が決定した追加経済対策では、消費税率引き上げなどの税制抜本改革について「時々の経済状況をにらみつつ、2010(平成22)年代半ばまでに段階的に実行する」としており、首相は「3年後の引き上げ」はさらに踏み込んだ発言として注目されていた。

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