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2008年10月31日(金) 14時05分

<日銀>0.2%利下げ決定 年0.3%に毎日新聞

 日銀は31日、政策委員会・金融政策決定会合を開き、政策金利である短期金利(無担保コール翌日物)の誘導目標を現行の年0.5%から0.2%引き下げ、年0.3%とすることを決めた。米国発の金融危機による景気悪化懸念を受け、景気下支えのために金融緩和が必要と判断し、利下げに踏み切った。

 利下げは、01年3月に政策金利を年0.15%からゼロ金利に誘導する量的緩和政策を導入して以来、約7年半ぶり。日銀の白川方明総裁が同日午後に会見し、利下げの理由を説明する。

 世界的な金融危機に対応するため、米連邦準備制度理事会(FRB)は29日、政策金利の0.5%引き下げを決め、欧州中央銀行(ECB)も来月6日に利下げに踏み切る公算が大きい。日銀が利下げを決めたことで、国際的な金融緩和の協調体制が整うことになる。

 このほか、会合では、日銀が金融機関から無利子で受け入れている準備預金に利子を付けることも検討した。利子が付くと、金融機関はそれより低い金利で運用する必要がなくなり、この利子が短期金融市場での事実上の下限金利となる。準備預金は日銀の資金供給の原資となっており、政策金利の誘導目標を維持しながら大量の資金供給が可能になる。

 また、会合は年2回の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を策定し、経済成長率と物価上昇率の見通しを公表する。国内総生産(GDP)の実質成長率予測を08年度は0%台前半(従来予想1.2%)、09年度は0%台後半(同1.5%)に大幅下方修正し景気停滞が長引くとの判断を示す公算が強い。

 日銀は10月8日の米欧協調利下げに同調しなかった。だが、その後に円相場は1ドル=90円台と13年ぶりの円高水準に急騰し、日経平均株価も26年ぶりに一時7000円を割り込んだ。景気が一段と後退色を強める懸念が広がり、利下げに転じた。政府も国際協調の観点などから利下げに期待感を表明していた。【斉藤望】

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