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2008年10月31日(金) 02時59分

「解散せず」でしらける永田町 事務所どうしよう産経新聞

 麻生太郎首相が「11月総選挙」を見送ったことで、選挙準備を進めていた与野党の衆院議員らからは、困惑の声が漏れた。

 「事務所は凍結しておくしかない」。自民党の平沢勝栄氏(東京17区)はため息交じりに語った。早期解散を想定し駐車場を借り上げ、10月初めに選挙事務所用に2階建てのプレハブを新築。約800万円かかった。解体すれば「いざ解散」で再び建てるのに費用がさらにかさむ。平沢氏は「借地料月数十万円を払ってでも、壊すわけにはいかない」とこぼした。

 京都1区から出馬を予定している民主党の平智之氏は9月下旬に公認されたばかり。「2カ月でカタが付くはず」と想定していただけに、思わぬ長期戦に戸惑いを隠せない。経営する会社が東京にあるため、京都での活動との二重生活を強いられる可能性も。

 一方、中山成彬前国土交通相の不出馬表明で揺れた宮崎1区では、自民党県連幹部が「党への風当たりが少しでも和らいでくれればいい」と先送り効果を期待している。

 解散を意識し、引退表明をしてしまった議員たちはバツが悪そうだ。福島1区でコスタリカ方式解消の調整が不調に終わり、出馬を取りやめた自民党の佐藤剛男氏は今月末に後援会事務所をたたむ予定だったが、解散まで存続させることに。秘書は「後援会にあいさつ回りもできず、格好がつかない」と苦笑いする。

 後継者に指名された“世襲候補者”たちも、しらけムード。小泉純一郎元首相の次男、進次郎氏の事務所は「まだ何も決まっていない」と言葉少なだった。

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