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2008年10月31日(金) 02時30分

<ヨーカ堂恐喝>伊藤園にも脅迫文 「大事件起こそうと」毎日新聞

 東京都荒川区のスーパー「イトーヨーカドー三ノ輪店」に、杉並区の派遣社員、都藤(つどう)道昭容疑者(57)が除草剤入りの焼き鳥のたれを置き、現金5000万円を要求した事件で、大手飲料メーカー「伊藤園」(渋谷区)にも6月、ヨーカ堂事件と同じ差出人名で5000万円を要求する脅迫文が届いていたことが分かった。都藤容疑者が警視庁捜査1課の調べに「グリコ・森永事件のような大きな事件を起こしてやろうと思った」と供述していることも判明。警視庁は都藤容疑者が伊藤園にも脅迫状を送りつけ、大規模な企業恐喝を計画していたとみて追及する。

 また、都藤容疑者の自宅の捜索で冷蔵庫から都内の大手食品メーカーの和がらしが多数押収されていたことも分かった。除草剤などを入れ、恐喝を準備していた可能性もあるとみて科学捜査研究所で鑑定を進めている。

 都藤容疑者は6月28日、除草剤のグリホサートを自宅で入れ「毒入り危険」のシールを張ったエバラ食品工業製「屋台のやきとりのたれ」を食品売り場に置いた。その上でヨーカ堂とエバラの両社に9月上旬、現金5000万円の振り込みなどを要求する脅迫文を送付したとして、今月25日に恐喝未遂容疑で逮捕された。容疑を認めている。

 伊藤園によると、脅迫文が届いたのは6月下旬。ヨーカ堂事件と同じ差出人「ダブルエックス」で、ワープロ打ちで「商品に毒物を入れる。5000万円を用意しろ」との内容が書かれていた。振り込みに向けた具体的な指示はなく、商品への混入被害も確認されていないという。同社広報部は「資料はすべて提出し、警察の捜査に協力している」と話している。

 都藤容疑者はこれまでの調べに「老後の生活への不安などから一獲千金を狙ってやった。ヨーカ堂の恐喝がうまくいったら、もっと大きい企業を狙うつもりだった」と供述しているという。【佐々木洋、古関俊樹、神澤龍二】

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