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2008年10月31日(金) 01時17分

<大分教員汚職>組織ぐるみの不正認定 大分地裁判決毎日新聞

 大分県の08年度小学校教員採用試験を巡る事件で、贈賄罪に問われた元佐伯市立小学校長、浅利幾美被告(53)=懲戒免職=に懲役1年2月、執行猶予3年(求刑・懲役1年2月)を言い渡した30日の大分地裁判決は、組織ぐるみの不正を認定した。宮本孝文裁判長は「かねてより口利きによる不正が行われていた」と指摘した。浅利被告、検察とも控訴しない方針。

 宮本裁判長は、執行猶予を付けた理由について「組織の不正に対する社会的非難を被告一人に負わせるのも相当ではない」などと述べた。動機について「不正のうわさもあるなか、子供たちを何としても合格させたい親心も理解し得ないではない」としながらも、「県教育界に対する不信感をぬぐいがたいものにした」と指摘した。

 判決などによると、浅利被告は07年7〜9月に実施された試験で、当時親しかった元県教委参事、矢野哲郎被告(52)=贈賄罪で公判中、懲戒免職=から持ちかけられ、長男(26)、長女(23)の合格を元県教委参事、江藤勝由被告(52)=収賄罪で公判中、同=に依頼し、現金300万円と100万円分の商品券を贈った。【金秀蓮】

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