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2008年10月31日(金) 01時12分

現生人類最古の小器官ゲノム=氷河で発見したミイラから解読−英伊大学チーム時事通信

 アルプスの氷河で1991年に発見された約5300年前の男性ミイラ「アイスマン」(別名エッツイ)の細胞小器官ミトコンドリアの全遺伝情報(ゲノム)を完全解読したと、イタリア・カメリーノ大や英リーズ大などの研究チームが31日、米科学誌カレント・バイオロジー電子版に発表した。現生人類では最古のミトコンドリアゲノムで、現代の欧州人にはアイスマンの近縁集団の子孫がいない可能性が高いことが分かった。
 ミトコンドリアはエネルギーを生産する小器官で、細胞核とは別のDNAがあり、母から子に受け継がれる。研究成果は現代人の遺伝的背景の解明に役立つと期待される。
 アイスマンは発見以来、新石器時代後期から青銅時代の人類を探る研究対象として興味を集め、46歳ごろに左肩に矢を受けた上、顔面を凶器で殴られて絶命、その後ミイラ化したことが判明。現在はイタリアの南チロル考古学博物館で展示されている。 

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