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2008年10月31日(金) 14時00分

「自転車乗りはEDになりやすい」:防止用サドルに新モデル登場WIRED VISION

米MoonSaddle社が開発した最新型サドルの三日月形デザインは、サイクリングを快適にするだけでなく、精子の数までも増加させる効果があるという。あなたが男性で、この話を聞いてハッと姿勢を正すだけでは済まないというのなら、ぜひチェックしてみて欲しい。

この『MoonSaddle』2008年モデルは、昨年のモデルのデザインを改良したものだが、その本質は変わらない——尻の骨で座ることで、会陰部に圧力をかけないようにするというものだ。

2008年モデルには、約63トンの重さに耐える高抗張力のステンレス製パイプが20〜30度の角度でついていて、これに座ると少し姿勢が垂直になるようになっている。また、サドルとその下の2本のレールの間のスペースが前のモデルより大きいので、調整も楽になりそうだ。

自転車関連のオンライン・フォーラムによると、今ではこのサドルの形も自転車コミュニティーで支持を増してきているようだが、発売当初は問題が多かったという。例えば、サドルの後部の独特な形のせいでサドルから滑り落ちてしまう人が出たほか、乗る人の身体の大きさに合わせてサドルの角度を変える必要があるため、自転車店で角度を調整してもらうといった手間がかかる。

また、痺れるということはほとんどないものの、一部の人からは「硬すぎて乗り心地が悪い」という声も上がっていた。

いくつかの研究では、従来のノーズ型サドルは勃起障害(ED)の要因になるとの結果が出ている。MoonSaddleのウェブサイトで引用されている研究では、 米国立労働安全衛生研究所のSteven M. Schrader博士が、従来のサドルは「神経絞扼[こうやく:神経などが周辺組織に圧迫されること]と血管閉塞」を発生させ、ペニスの血流と感覚を著しく減少させると述べている。

[自転車とEDの関係についてまとめているLosAngels Timesの記事によると、1997年にIrwin Goldstein医学博士が警告を発して以来、これを裏付けるいくつかの研究結果が出ているという。例えば1997年に米国泌尿器科学会がボストンで行なった調査では、男性サイクリストのうち中程度〜完全なEDである者は4.2%、ランナーの場合は1.1%だったという。「会陰部はもともと人間の重量を支えるようには設計されていない」と説明する専門家もいる]

また、他の研究では、女性の場合でも、頻繁に長い時間自転車に乗ると「性的快感が減少」し、長期的には男性と同じように性的能力が低下するリスクがあると報告している。

ただし、会陰部の問題の大半は、毎日長時間自転車に乗ったり、レースをしたりする場合に起きていることを忘れないで欲しい。ゆえに、週に2、3度15分ずつ乗るくらいだったら、重大な問題は起こらないだろう。

2008年モデルのMoonSaddleは現在、85ドル弱で販売されている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081031-00000000-wvn-sci