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2008年10月30日(木) 00時05分

2兆円給付、年内実施検討 政府与党が追加対策中国新聞

 政府、与党は二十九日、追加経済対策(生活対策)の目玉として検討してきた「定額減税」を総額二兆円の給付金に切り替えることで合意、麻生太郎首相は給付金の年内実施を目指す考えを示した。所得制限を設けず、全世帯対象にクーポン券か現金を支給する方針で、早急に詳細な内容を詰める。

 首相は「(実施が)年内と年を越すのではだいぶ意味が違う」と記者団に述べた。開会中の臨時国会に給付金などを盛り込んだ二〇〇八年度第二次補正予算案を提出し、早期成立を図る構えだ。

 地方の高速道路を休日は原則千円で乗り放題にし、首都高速や阪神高速も休日割引を導入。住宅ローン減税を過去最大の合計六百万円規模にすることも固まった。

 政府、与党は証券優遇税制の延長、自治体への臨時交付金などを盛り込んだ対策を三十日に決定。米国発の金融危機が深刻化し、世界的に景気後退懸念が強まる中、家計支援、金融安定、地方活性化などを狙う。国の財政支出は五兆円規模に膨らむ見通しだ。

 減税は時間がかかり、低所得の若年層などが対象から外れるため、実施しやすい給付金に変更した。給付金は単純に平均すると一世帯当たり約三万八千円となるが、子育て世帯などに手厚くすることも検討。首相は一九九九年の地域振興券との違いについて「経済状況が全然違う。今の方がきついから効果が大きい」と強調した。

 現行の住宅ローン減税は所得税から差し引ける最大控除額が合計百六十万円で、今年末で切れるが、低迷する住宅建設をてこ入れするため、控除額を大幅拡大し延長。耐久年数の長い住宅は、過去最高だった五百八十七万五千円を上回る減税規模にする方向だ。

 来年から株式などの譲渡益と配当の軽減税率に適用上限額が設定される予定だったが、現行措置の五年延長を求める自民党と、二年にとどめるべきだとする公明党の調整を続けた。

 中小企業の資金繰り支援は、〇八年度補正予算の約四千億円を上回る規模とすることで大筋合意した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200810290331.html