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2008年10月30日(木) 00時00分

名物のカープ洋服店が閉店へ中国新聞

 「カープ洋服店」(広島市中区南竹屋町)が年内で閉店する。広島東洋カープが球音を響かせる前年に改名して59年、広島市民球場(中区)の最後のシーズンとも重なった。派手な優勝記念セールでも知られた「名所」の一つが歴史の幕を下ろす。

 国道2号沿いの窓ガラスに「閉店セール」と書いた赤いポスターが張り出されている。岡本善行社長(80)は「クライマックスシリーズ進出まであと一息。V7までは店を続けたかった」と残念がる。高齢を踏まえ「潮時」と閉店を決めた。

 1947年、南区松原町に「岡本衣料品店」の名で開業。49年に夕刊紙が報じた、地元に誕生する球団の候補名の中に「カープス」があり、それを参考に「カープ洋服店」への改名を決断した。店舗が中区三川町にあった75年、カープがリーグ初優勝。記念セールには500人以上の列ができ、店頭で酒も振る舞ったという。77年から現在地で営業してきた。

 閉店セールには「V7」への祈りも込める。閉店日は未定だが、岡本社長は「郷土愛の強いカープファンに支えられた」と最後まで丁寧な接客に徹する。

【写真説明】閉店を決めた店の前で、カープの思い出話をする岡本社長

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200810300058.html