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2008年10月30日(木) 02時31分

<新銀行東京詐欺>関西でまず同様手口毎日新聞

 新銀行東京(本店・東京都新宿区)の融資を巡る詐欺事件で、詐欺の仕組みを考案した元暴力団員、大丸正志容疑者(46)が会長を務めるソフトウエア開発会社「アシストプラン」(大阪市)が、関西の複数の銀行支店からも、改ざんした決算報告書を基に融資を受けていたことが分かった。警視庁捜査2課は、地元での運転資金調達が限界に達していた大丸容疑者らが新銀行東京の契約社員だった青木千代美容疑者(56)に接近、同じ手口での不正融資を実行させたとみて追及する。

 民間信用調査機関によると、アシスト社は03年ごろから東京に進出。大阪や兵庫など関西の銀行支店からの融資を膨らませ、07年9月末時点での借り入れ残高は、資本金の7倍の計約14億7000万円に上っていた。

 調べでは、大丸容疑者らは地元行からの正規な手続きでの融資がほぼ不可能になっていたため、改ざんした決算報告書を提出するなどして、審査をすり抜けていたという。

 06年3月には、新銀行東京上野出張所から約5000万円の融資を受けたものの、運転資金不足は解消されず、青木容疑者の元同僚の金融ブローカー、渡部善和容疑者(49)に相談。大丸容疑者らは池袋出張所にいた青木容疑者の協力で、実体のない給排水設備会社「リフレックス」(東京都中野区)を経由した約5000万円の融資を引き出すことに成功したという。

 大丸容疑者らアシスト社幹部3人は「詐欺の事実はない」と容疑を否認しているが、捜査2課は同社の経営状況の悪化が事件の背景にあるとみて経緯を調べる。【杉本修作、酒井祥宏】

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