記事登録
2008年10月30日(木) 00時00分

10分間ドラマ、ネット配信…日テレ、放送翌日から読売新聞

 日本テレビは、11月1日から9日まで放送する10分間ドラマ「the波乗りレストラン」を、放送翌日から一部有料ネット配信する。

 携帯電話やネットだけで見ることができるドラマも制作するなど、ネットと連動したドラマ作りに力を入れている。(清岡央)


大泉洋が主演する「the波乗りレストラン」は地上波とネットのほか、BSやCSでも放送される
5話を無料、5話を1話100円

 「the波乗りレストラン」は、大泉洋が主演。大宮エリーが脚本・総合演出を手がけ、毎回、サザンオールスターズの曲を題材に物語が展開する。全33話。

 神奈川・湘南の街で大泉が開店準備を進めるレストランに、いろいろな事情を抱えた人々が吸い寄せられるように集まる。「いとしのエリー」や「TSUNAMI」など、毎回、サザンの曲に沿って物語が展開。1話完結だが、それぞれの物語に関連を持たせ、全話で「約5時間のドラマ」になるという。

 9日間の期間中、1日3〜4話がさまざまな時間に放送されるため、視聴者にとっては「宝探しのような楽しみ」もある一方、テレビでいちいちチェックするのは大変。そこで、33話のうち5話を、放送翌日からNTTドコモの携帯電話向け動画配信サービスと、日本テレビのインターネット動画配信サービス「第2日本テレビ」で無料配信。別の5話については、放送翌日から1話100円で携帯電話向けに有料配信し、ドラマの継続的な視聴に結びつけたい考えだ。

 BS日テレでも、8日と9日の2日間で33話すべてを放送するほか、CS放送の日テレプラスでも後日、全話を放送する。年明けにはDVD化も予定している。

 日本テレビでは、今年「栞と紙魚子の怪奇事件簿」などの深夜ドラマで、放送翌日の無料ネット配信を行った。地上波の視聴率に悪影響を与えることはなく、「地上波で初回を見逃した人もついてきやすい」などの効果があった。今回、配信をより直接的に収益につなげる可能性を探るため、一部有料配信を試みることにした。


岩佐真悠子(右)が主演する「ダブル」は、NTTドコモの携帯電話で視聴できる
「テレビだけがテレビでなくなる時代に対応」

 また、10月からNTTドコモと共同で、岩佐真悠子が主演する5分間の恋愛ドラマ「ダブル〜この恋には裏がある〜」の配信を始めた。

 来年1月までの間、毎週1話ずつ配信し、携帯電話やインターネットの番組公式サイト(http://double-koiura.jp/)などを通じて無料で視聴できる。日本テレビが「制作会社」として番組を制作する形になる。

 携帯電話で動画を見る習慣が広まり始めていることを受け、各局は放送以外でいかに番組を見てもらい、収益につなげることができるかに腐心している。テレビ向け番組を再利用するだけでなく、著作権処理や携帯電話画面での見やすさを考慮して作るなど、放送以外での展開を初めから考えた番組を増やしていこうという戦略だ。

 同局の田村和人・デジタルコンテンツセンター長は「テレビを見る時間を減らして、インターネットなど他のメディアを見ている人が出てきた。『テレビだけがテレビではなくなる時代』に対応していく必要がある」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20081030nt13.htm