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2008年10月30日(木) 14時19分

<愛知不正経理>「預け金」は5年で6596万円毎日新聞

 愛知県農林水産部と建設部の地方機関が事務用品を架空発注し、業者に代金を保管させた「預け金」の総額は06年度までの5年間で6596万円で、うち国庫補助分が1897万円に上ることが30日分かった。会計検査院の調査に県の独自調査分を加えた。預け金を含む不正経理総額は計3億1046万円で、うち国庫補助分が1億3007万円、県費分が1億8039万円。県は同日午後の一般会計・特別会計決算特別委員会に報告した。

 県によると、両部の不正経理のうち、需用費を充てたのは総額1億7234万円。うち農水部9057万円(国庫補助分3670万円)、建設部8176万円(同2467万円)。預け金の大半は建設部で、6256万円(同1776万円)を占めた。

 手口の内訳は、預け金のほか▽発注した物品と別の物品を納入させる「差し替え」4448万円▽予算を使い切るため年度内に物品を発注したように装い、翌年度に納入させる「翌年度納入」3423万円▽個別に発注した物品の代金をまとめて払う「一括払い」1674万円。さらに、予算不足に対応し、代金を支払わずに物品を納入させ、翌年度に代金を払う「前年度納入」という手口も新たに発覚し、1092万円に上った。

 また、出張費の目的外使用が1億1177万円で、うち国庫補助分が5578万円。アルバイトの目的外雇用が2635万円で、うち国庫補助分が1290万円だった。

 決算委員会の冒頭、西村真副知事は「会計検査院から不適正な経理を指摘され、県職員が逮捕されたことは誠に遺憾で、大変申し訳ない。前例踏襲の意識が強く、コンプライアンス(法令順守)が徹底されていなかった」などと謝罪した。【月足寛樹、丸山進】

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