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2008年10月30日(木) 23時27分

11年度にも消費税率引き上げ=財政再建に不退転の決意−麻生首相時事通信

 麻生太郎首相が30日、追加経済対策公表の記者会見で3年後の消費税率引き上げに言及した。「全治3年」とする日本経済の回復を2008−10年度の間に成し遂げ、その後、11年度にも消費税増税に踏み出す意向で、財政再建に向けた不退転の決意を示したと言える。
 財政再建は「長い間の政権与党の課題」(与謝野馨経済財政担当相)だが、消費税率を3%から5%に引き上げ、深刻な景気低迷を招いた1997年の橋本内閣の失敗例もある難題だ。総選挙を考えれば、不人気政策である消費税増税に言及するのは大きな賭けと言える。
 財政再建派の与謝野経財相ですら、麻生発言は「少なくとも3年間は消費税を上げないという宣言」と軌道修正に努めたが、首相は「増税は誰でも嫌だが、多くの借金を子どもたちに残せない。増税は避けて通れない」と言い切った。
 追加対策で示された税制抜本改革の工程表は、「3年以内の景気回復を最優先し、経済状況の好転後、消費税を含めた税制抜本改革を速やかに開始し、時々の経済状況をにらみつつ、10年代半ばまでに段階的に実行する」との道筋を示した。
 消費税増税の前提となる景気回復に関し、与謝野経財相は「潜在成長率2%がコンセンサス。そういう力がフルに発揮された状況」と指摘する。しかし、世界同時不況が近づく中、外需頼みの日本経済が力強さを取り戻すかは不透明。麻生政権は極めて困難な課題を背負ったといえそうだ。 

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