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2008年10月30日(木) 22時34分

出向社員のうつ病「仕事負担も一因」…トヨタとデンソー敗訴読売新聞

 トヨタ自動車に出向中、上司からパワーハラスメント(職権による人権侵害)を受けるなど、仕事が原因でうつ病になり休職を余儀なくされたとして、自動車部品大手「デンソー」の男性社員(44)が、両社に約1880万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、名古屋地裁であった。

 多見谷(たみや)寿郎(としろう)裁判長は、仕事の負担もうつ病の一因と認め、「負担を軽減する安全配慮義務を怠った」として、両社に休業補償や慰謝料として計約150万円の支払いを命じた。上司の発言については「パワハラとされても仕方がない」としたが、うつ病の原因とまでは認めなかった。

 判決によると男性は、1999年8月にトヨタ自動車に出向。新型ディーゼルエンジンの開発を担当したが、同年11月の会議で、上司から「もうデンソーに帰っていい。使いものにならない人はうちにはいらない」と厳しい叱責(しっせき)を受けた。男性は2000年6月にうつ病と診断され、2か月間休職した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081030-00000074-yom-soci