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2008年10月30日(木) 22時25分

大阪市の平松市長、ビジョンはサツマイモ栽培?職員も困惑?産経新聞

 大阪市の平松邦夫市長は30日、「元気な大阪」を目指した事業計画案など「平松ビジョン」を明らかにした。大阪城からベイエリアまでの水路を「海の御堂筋」と名付け活性化を目指す構想や中小企業のアジアでの販路開拓支援、ヒートアイランド対策として市庁舎屋上でのサツマイモ栽培などが目玉。ネーミングの奇抜さや、発想の新しさはうかがえるが、数値目標がなく予算規模や事業効果の見極めが難しい内容が多く、市幹部からも「来年度から何をやればいいのか」と困惑の声が上がっている。

 ビジョンの柱となる「元気アップ推進事業計画」(3年間)は、2000万円の予算をかけ、28人の外部委員のアイデアをもとにまとめた。

 事業計画に盛り込まれたのは、アジアへの販路開拓など中小企業のもの作り支援や、市役所屋上でサツマイモ栽培や区役所の壁をゴーヤで緑化するヒートアイランド対策、大阪城公園内の旧市立博物館を約2億円かけて耐震化し、民間のホテルやレストランとして運営させる−など7事業。

 これとは別に、大阪城からベイエリアまでの水路を「海の御堂筋」と名付け活性化を図る構想などを「今後のまちづくりの方向性」として示した。

 また、平松市長は、これまでに打ち出した街頭犯罪発生率ワースト1返上をめざす防犯対策や放置自転車対策、ごみ減量化施策に加え、これらの事業について「重点予算枠で優先的に予算化したい」と述べた。

 事業計画は、市が原案を出すのではなく、市総合計画審議会の4専門部会の外部委員28人が、6月から5〜6回の非公開協議で出したアイデアを市制作企画室でまとめた。これについて市幹部の1人は「半年近く議論してまとめたという事業計画案がA4用紙6ページだけ。あまりに薄いので驚いた。新ビジョンに基づき来年度から何をやればいいのかさっぱり見えてこない」と困惑している。

 市は新ビジョンについて11月6日から12月26日までパブリックコメントを募集する。

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