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2008年10月30日(木) 22時17分

<ドラフト会議>「大物不在」で手堅さ優先 総評毎日新聞

 「大物不在」「無風」。こんな見方が強かった今ドラフトは、スカウトの真の力が問われる場だった。

 複数球団が同じ選手を指名した場合、抽選となる1位は、3選手に2球団ずつが重複した。東海大相模高・大田は5〜7球団が1位を検討したとされる。しかし、結局指名したのはソフトバンクと巨人だけ。「他に目立った選手がいない」との比較論で1位候補に浮上した観のある大田にこだわって、あえてリスクを冒す必要はないという意図が働いたのは明らか。「より安全に」をキーワードに、多くの球団が手堅い戦略を選んだ。

 07年に発覚した西武の裏金問題に端を発し、フリーエージェント(FA)制とリンクする形でドラフトの改革が進められている。今回のドラフトについて、楽天の野村監督は「将来性を見るスカウトの眼力がポイント。特に今年は不作と言われていたし……」と話す。逆指名制度が廃止されて2度目のドラフトは、独自の視点で隠れた逸材を発掘するのがスカウト本来の仕事であることを印象づけた。今後もこの方向に力が注がれるのであれば、歓迎すべきことだろう。【栗林創造】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081030-00000155-mai-base