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2008年10月30日(木) 21時28分

<イタリア>「教育改革」抗議デモ…学生15人逮捕毎日新聞

 【ローマ藤原章生】イタリアのベルルスコーニ政権が「教育の合理化」を打ち出した教育改革法案が29日、上院を通過し成立した。これに抗議した数千人の左派学生が同日、ローマ中心部のナボナ広場で、妨害を図る数百人の右派学生と衝突し、大学生3人と警察官1人が負傷、15人の学生が逮捕された。イタリアでは30日、全国の公立学校、大学で教職員、学生の合同ストが決行され、「教育闘争」が続いている。

 法案は9月にジェルミニ教育相が閣議に提出し、29日に可決された。主な内容は、09〜12年に小中高の(1)8700の教員ポスト削減(2)780万ユーロの予算削減(3)1学級1教員の徹底(4)素行を含めた10段階評価の徹底(5)小学生の学童着(上っぱり)の復活(6)大学の研究費削減−−など、経費削減と規律強化が特徴だ。

 教育省によると、イタリアの教員は公立だけで約84万人、生徒11人に1人の割で、欧州平均の生徒18〜20人に1人と比べるとかなり多い。だが、教員の給与と生徒の学力は欧州でも最低レベルだ。

 教育相は「低学力は、2、3人の教員が持ち回りで怠惰な授業をしているため」とみて改革に乗り出した。しかし、左派主体の教職員組合は「教員を減らし授業を増やすなど矛盾だらけの法案だ」と反発し、同調した大学生がローマ大などで今月中旬から座り込みを続けていた。

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