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2008年10月30日(木) 21時23分

<電機>大手6社減収…経営環境急速に悪化 9月中間連結毎日新聞

 電機大手8社の08年9月中間連結決算が30日、出そろった。金融危機による世界的な景気減速や製品価格下落の影響で6社が前年同期比で減収となり、5社が営業赤字や営業減益に陥った。また、急速に進む円高の影響などで09年3月期連結決算の業績予想を下方修正する動きも相次ぎ、電機業界の経営環境は急速に悪化している。

 ◇円高、景気減速

 中間決算、通期見通しともに円高の影響が特に大きいのは、海外売上高比率が77%に及ぶソニーだ。通期の営業利益予想は従来予想比57%減を見込んだ。書き入れ時の年末商戦を前に、「液晶テレビの注文は当初見込みより悪化している」(大根田伸行・最高財務責任者)と言い、消費への影響も深刻。富士通も円高や景気減速への懸念を盛り込んで通期見通しを下方修正した。

 中間決算で23年ぶりに過去最高の最終利益を確保したパナソニックも「経営環境は悪化の一途」(大坪文雄社長)と警戒感を強める。景気変動には左右されにくい重電機器が主力の日立製作所や三菱電機は、中間決算は堅調だったが、「自動車部品納入に影響が出始めた」(中村豊明・日立執行役専務)とし、下期は事業環境悪化を見込んだ。

 ◇製品価格下落

 想定以上に進む製品価格の下落も深刻だ。特に半導体とデジタル家電の価格下落は収益圧迫要因になった。

 東芝は、デジタルカメラなどに使うNAND型フラッシュメモリーの価格下落で、半導体事業は中間期で595億円の営業赤字。富士通やNECも、半導体事業の悪化が響き、中間期の営業減益となった。

 デジタル家電の価格下落も激しく、ソニーの中間決算では液晶テレビやコンパクトデジカメの単価下落で、エレクトロニクス部門の営業利益が同48%減。液晶テレビ国内首位のシャープも、単価下落で液晶テレビの売上高が同1.2%減と初めて減少。片山幹雄社長は「北米や欧州市場で価格下落が強まった」と述べた。【秋本裕子】

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