記事登録
2008年10月30日(木) 20時38分

「拉致濃厚」新たに32人 特定失踪者問題調査会産経新聞

 北朝鮮による拉致被害者を調べている「特定失踪(しつそう)者問題調査会」(荒木和博代表)は30日、すでに公表している失踪者についてこれまでに寄せられている情報を再検討した結果、不確定な要素があるものの、北朝鮮での目撃証言が得られるなどした32人を新たに「拉致濃厚」に加えると発表した。「拉致濃厚」リストの発表としては過去最多の人数。「拉致濃厚」の失踪者はこれまでの発表分と合わせると、計68人となった。

 調査会は、日本弁護士連合会(日弁連)に対して人権救済を申し立てるとともに、各事案ごとに国外移送目的略取容疑での刑事告発も検討する。

 新たにリスト入りしたのは、昭和35年から平成10年にかけて行方不明となり、脱北者などから「北朝鮮にいると聞いた」「北朝鮮で目撃した」などの情報が寄せられた失踪者が中心。

 調査会はこれまで、情報源を公開できない失踪者、情報の検証が不可能な失踪者については、「拉致濃厚」入りを控えていた。

 再検討ではこれまでの情報を精査し直し、情報の確度は高くはないものの、「失踪した状況が、拉致の蓋然(がいぜん)性が高い」(荒木代表)と判断した失踪者について、リスト入りに踏み切った。

 調査会は「これ以外にも拉致の可能性を疑わせるものは存在する」としており、今後、氏名などを非公開としている失踪者についての情報も順次見直し、リスト入りを検討する。

【関連記事】
今年も拉致被害者の帰国要求 国連議決案
拉致事件進展への協力要請 斎木局長がヒル氏と会談
「制裁数十年延長でも驚かない」北朝鮮紙
拉致解決求めビラ飛ばす 韓国被害者団体
「拉致濃厚」新たに約30人追加へ 調査会、再検討で

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081030-00000579-san-soci