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2008年10月30日(木) 20時20分

横浜港で海賊退治訓練 海保、東南アジアなどの当局者らと産経新聞

 海賊対策などに取り組む東南アジア、中国、中東の海上警察当局者を対象にした海上保安庁による海上犯罪取り締まり研修が30日、横浜港の巡視船「やしま」で始まった。

 研修にはマラッカ海峡周辺国のインドネシア、マレーシア、シンガポールや、中東から日本に向かうシーレーン周辺国のイエメン、インド、ベトナム、フィリピン、中国各国の海上警察、海運局、沿岸警備隊の指揮官クラス11人が参加。この日は、海保の救難艇に乗船して湾内パトロール訓練や救難艇から「やしま」に縄ばしごを使って乗り込む「立ち入り検査想定訓練」などを行った。

 研修に参加したインドネシア海上保安調整会議の法執行官、スダルソ・デヴィ氏(36)は「マラッカ海峡での凶悪な海賊は減少傾向にあり、今は食糧などを無心する“海賊”が増えている。こうした手合いは食糧を与えれば危害を加えることなく去っていく」とマラッカ海峡の現状を分析。

 インドネシア海上警察C級巡視艇のシャーリー・アングライニ指揮官(27)は「初めての研修で、学ぶことはとても多い」と真剣な表情で海上保安官の説明に聞き入っていた。

 参加者は31日には横浜沖で行われる海賊想定訓練で、日本の貨物船から金品と人質を奪って逃走する海賊船に対する情報収集、捜索発見、停戦処置、移乗・制圧・逮捕の研修を行う。

 海保では「今回の研修を通じてよい経験を積んで、各々の国での仕事に役立ててほしい」としている。

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