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2008年10月30日(木) 20時03分

<天皇伝説>上映認め、杉並区に施設使用命じる 東京地裁毎日新聞

 天皇家を題材にした映画「天皇伝説」など2作品を上映するための施設使用許可を東京都杉並区が取り消したのに対し、東京地裁は30日、施設の使用許可を区に命じる決定を出した。杉原則彦裁判長は、許可を取り消された映画監督の渡辺文樹氏の申し立てを認め、「警備によってもなお混乱を防止できないような特別な事情はない」と指摘した。

 決定によると、渡辺氏は区立勤労福祉会館の使用をいったん許可されたが、区側は「管理上の支障がある」などとして上映4日前の27日に使用承認を取り消した。杉原裁判長は「上映は表現の自由にかかわるもので、中止で被る損害は事後に回復できない。上映で直ちに公共の福祉に重大な影響を及ぼす恐れはない」と判断した。映画は当初の予定通り、31日に上映される見通し。

 山田宏杉並区長の話 地域住民や施設利用者に多大な迷惑と混乱が生じることが想定されるため、使用承認を取り消したが、東京地裁の判断が下ったため、それに従う。上映では混乱が生じないよう管理運営の徹底に努める。

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