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2008年10月30日(木) 21時55分

<大麻>昨年摘発3282件…過去最悪 警察庁毎日新聞

 大麻を巡る大学生の事件が後を絶たない。今回の慶大生以外にも、今月2日に法政大の男子学生5人が大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕されたと発表されたばかり。大麻は入手しやすいことから若者への汚染は深刻で、大学生に限ると01年に覚せい剤取締法違反の検挙者数を逆転。01年から今年6月までに642人が検挙されている。

 警察庁によると、大麻の摘発事件は05年の2831件から年々増え、07年は3282件で過去最悪となった。今年上半期(1〜6月)は1686件、1202人が逮捕や書類送検されており、昨年を上回るペース。今年上半期の容疑者のうち、約85%の1027人が初犯。年齢別では10〜20歳代が全体の65%を占めている。

 中でも大学生の大麻事件が目立つ。今年1月には関東学院大ラグビー部の元部員が有罪判決を受け、5月には学内で大麻を密売していた関西大の学生らが逮捕された。

 大麻事件による大学生の検挙者数は07年は92人(前年比19人増)で、今年上半期は42人。全検挙者数に占める大学生の割合は大麻が3.5%で、覚せい剤の0.2%を大きく上回る。00年は覚せい剤が36人と大麻の29人より多かったが、01年に逆転。昨年は覚せい剤が23人で大麻の4分の1にとどまった。

 大学生の大麻汚染の背景には入手しやすさがあるようだ。警察庁は「大麻の種子がインターネットで販売され、栽培マニュアルも出回っており、誰でも手軽に入手できる」と説明する。

 大麻を種子から栽培する事件も急増している。今年上半期の栽培事件は91件(前年同期比24.7%増)で73人(同46.0%増)を検挙。大麻の種は栽培されることを知りながら販売すれば、栽培をほう助したとして罪に問われるが、種を販売したり、所持したりすること自体は罰せられないため、栽培事件が増加する要因になっているとみられる。

 警察庁は「大麻を使用すると視覚や聴覚に変調をきたすうえ、幻覚や妄想に襲われる。大量に摂取することで中毒性精神障害になる恐れもある」と安易な使用に警告を発している。【長野宏美】

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