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2008年10月30日(木) 16時17分

大分教員汚職 元校長に有罪判決産経新聞

 大分の教員汚職事件で、長男(26)と長女(23)が合格した昨年の教員採用試験で現金と商品券を渡したとして、贈賄罪に問われた大分県佐伯市立小の元校長、浅利幾美被告(53)の判決公判が30日、大分地裁で開かれた。宮本孝文裁判長は「動機に酌むべき点はなく、大分の教育に対する国民の不信感をぬぐい得ないものにした」として、懲役1年2月、執行猶予3年(求刑懲役1年2月)を言い渡した。

 一連の事件では8人が起訴され、5人の公判が始まっているが、判決は初めて。

 検察側は論告で「採用試験に対する社会の信頼を大きく損ねた悪質な行為だ」と指弾。これに対し弁護側は最終弁論で「不正行為のうわさが絶えず、親心からわいろを渡した」と述べて執行猶予付きの判決を求め、浅利被告は最終陳述で「心からおわびします」と謝罪していた。

 論告によると、浅利被告は元県教育委員会義務教育課参事の矢野哲郎被告(52)=贈賄罪で公判中=に勧められ、合格の謝礼などとして元同課参事の江藤勝由被告(52)=収賄罪で公判中=に商品券100万円分と現金300万円を渡した。

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