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2008年10月30日(木) 15時01分

<新銀行東京詐欺>青木容疑者、借り入れ記載の削除を指示毎日新聞

 新銀行東京(本店・東京都新宿区)の融資を巡る詐欺事件で、元池袋出張所契約社員、青木千代美容疑者(56)が営業実態のない給排水設備会社「リフレックス」(中野区)への融資を自分が担当できるようにするため、決算報告書からソフトウエア開発会社「アシストプラン」(大阪市)からの借り入れを削除するよう求めていたことが分かった。ア社は上野出張所と取引があり、借り入れを記載すれば上野出張所が窓口になるのが通例。警視庁捜査2課は、青木容疑者が高額ノルマ達成のための工作をしたとみて追及する。

 調べでは、リ社が06年9月に融資を受ける際、決算報告書などの会計書類を提出する必要があったが、決算書には当初ア社からの借り入れ約600万円が記載されていた。新銀行によると、融資を申請した会社の借入先が新銀行から融資を受けている場合、関連会社として担当窓口が一本化されるのが通常だという。

 ア社は06年3月に上野出張所から約5000万円の融資を受けていたため、両社の関係が伝わると池袋出張所の青木容疑者が担当できない恐れがあった。

 そのため青木容疑者は、仲介する金融ブローカーを通じ、元暴力団組員でア社会長、大丸正志容疑者(46)らに削除を指示したという。青木容疑者は調べに「半年で10億円を超えるノルマがあった。ノルマ達成のために詐欺をやった」と供述しており、捜査2課は実績作りのためだったとみている。【杉本修作、酒井祥宏】

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