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2008年10月30日(木) 00時52分

<EU>中国や中東産油諸国にIMFへの資金提供呼び掛け毎日新聞

 【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU)のバローゾ欧州委員長は29日、金融危機への対応で国際通貨基金(IMF)の資金を増強するため、大量の外貨準備を抱える中国や中東のペルシャ湾岸産油諸国にIMFへの資金提供を呼び掛けた。アイスランド、ウクライナ、ハンガリーへのIMFによる緊急融資決定が相次ぎ、準備金不足が懸念されているため。

 バローゾ委員長は同日の記者会見で「中国はグローバリゼーション(経済の地球規模化)の恩恵を多く受けており、責任感を示す好機だ」と述べた。ブラウン英首相も28日、中国と湾岸諸国にIMFの資金増強への協力を呼び掛け、11月1日からの湾岸諸国歴訪で直接、支援を要請する意向を表明した。EUは同月15日にワシントンで開かれる緊急金融サミットでIMF改革の一環として新興国の関与強化を提案する見通し。

 また、アルムニア欧州委員(経済・通貨担当)は29日、東欧諸国への危機波及の深刻化に備え、加盟国に対するEUの貸し付け支援枠を現行の120億ユーロ(約1兆5000億円)から250億ユーロ(約3兆1500億円)に拡大するよう、11月7日のEU緊急首脳会議で提案する方針を明らかにした。

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