記事登録
2008年10月30日(木) 00時44分

民主 新テロ・金融法案、条件付きで採決容認 産経新聞

 民主党は29日、麻生太郎首相に対し衆院解散を求めていくことを前提に、新テロ対策特別措置法改正案と金融機能強化法改正案について条件付きで採決に応じる方針を決めた。新テロ法案はアフガニスタン情勢に関する参考人質疑など、金融法案は修正実現がそれぞれ条件だ。自民、民主両党は29日、新テロ法案審議での参考人質疑で合意するとともに、金融法案の修正協議に入ったため、2法案は11月中の成立が濃厚となった。ただ、民主党が法案成立に前向きな姿勢をとっても、首相が解散に踏み切る保証はなく、党内には手詰まり感も漂っている。

 幹部会では、政府が提出を目指している平成20年度第2次補正予算案についても、今国会への早期提出を要求することを決めた。

 「のどが痛いから、オロナミンCをくれ」

 菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長らが出席した幹部会。小沢一郎代表は清涼飲料水を飲みながら「国会は方針転換しない。(解散先送りは)若手の運動量が増えていいじゃないか。だが、そう遠くない時期に選挙はある」と語った。

 幹部会では法案審議で徹底抗戦する対決路線へは転換せず、「やるべき審議はさせるが、いたずらな引き延ばしはしない」(山岡賢次国対委員長)ことを確認したが、同党幹部は「国会審議で政府・与党側をボロボロにして、解散しなかったことを首相に後悔させてやる」と語った。

 民主党はこの日の政策決定機関「次の内閣」で、金融法案について(1)公的資金投入の際は金融機関の経営責任を明確化する(2)「自民党寄り」(民主党中堅)の農林中央金庫救済には改めて国会決議が必要(3)不正融資が問題化した新銀行東京を対象外とする−など6つの修正項目を決定。衆院財務金融委員会の筆頭理事間協議で自民党に提示した。

 新テロ法案を審議中の参院外交防衛委員会では自・民両党が、参考人質疑の11月5日実施で合意した。

 一方、民主党が、追加経済対策に基づく第2次補正予算案の早期提出を求めるのは、首相に臨時国会を延長させ、審議の場で政権攻撃を強めるねらいがある。

 「首相は今解散したら負けそうだから選挙を先送りするのに、追加経済対策を口実にしている。今国会に第2次補正予算案が出なければ、やっぱり口実だったと国民に明らかになる」

 菅氏は「次の内閣」でこう強調した。

 鳩山氏も同調し、「首相が解散できない理由はたった一つ、世論調査で惨敗だと分かったからだ。追加経済対策が、現金やクーポン券を直接支給することになりそうだが、究極の選挙対策、バラマキだ。政権末期だ」と首相を非難した。

 一方、自民党は2法案への民主党の対応を歓迎しているが、「参院で結論が出るまで何を仕掛けてくるか分からない」(国対幹部)と警戒感を隠さない。金融法案の民主党の修正要求に自民党幹部は「半数は受け入れられない。もうひと波乱ありそうだ」と厳しい表情をみせた。衆院財務金融委の両党筆頭理事は31日に再協議するが、自民党が目指す11月4日の衆院本会議での採決は不透明だ。

【関連記事】
民主党幹部会、新テロ、金融強化法案「審議引き延ばしせず」
「のど不調」小沢代表、党首討論逃げる本当のワケ
小沢氏の批判に野田氏「大物になったのかな」 マルチ商法問題
国の舵取り大丈夫?与野党“子供レベル”泥仕合
任せたい首相は…いない? 「思いつかない」が1位に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081030-00000505-san-pol