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2008年10月29日(水) 08時03分

麻生首相またセレブ発言「カップ麺は400円」スポーツ報知

 麻生太郎首相(68)は、28日の参院外交防衛委員会で、カップめん1個の値段を質問され「400円ぐらい」とセレブ宰相らしい珍答弁をした。衆院解散・総選挙を当面見送る意向を固めたことに対し、国会での対決モードに転じた野党に揚げ足を取られた形。連夜の高級ホテルのバー通いを始めとした「麻生流ナイトライフ」を攻撃されたばかりだが、この日も金銭感覚が浮世離れしていることを露呈してしまった。

 セレブ首相が、失笑をかった。給油延長法案を審議する参院外交防衛委で、民主党の牧山弘恵氏(44)からカップめん1個の値段を質問されて−。

 首相「最近自分で買ったことないのでよく知りませんが、日清食品が最初(「カップヌードル」を)出した時はえらい安く出たなというのがあるんですが、今は400円ぐらいします? そんなにはしない?」

 原油高騰に伴い、今年になって値上がりした国民食の小売価格は、高級店でディナーを楽しむ首相の頭になかったようで「いろいろ種類が出ていることは知っています」。牧山氏に「170円ぐらいです」と指摘され、苦笑いするしかなかった。

 また同党の浅尾慶一郎氏(44)に、飲食店で割引サービスなどが受けられるクーポン券の利用の有無を問われ「『ください』と言ったら『あなたみたいな人には必要ない』と断られたことはある」。苦笑の波が広がった。

 首相は今月19日に庶民派ぶりをアピールしようと都内のスーパーを視察。その後、都内の老舗一流ホテルの帝国ホテルで夕食を取り、ブーイングを浴びたばかり。「ホテルのバーは安い」と発言した首相の庶民感覚のなさをさらにあぶり出そうとした民主党の注文にはまった格好だ。

 首相の敵は野党だけではない。年内解散見送りの決断に、自民党の一部や公明党には11月30日投開票の“主戦論”が根強く残る。

 早期解散を訴えてきた公明党の太田昭宏代表(63)は、30日に予定される与党党首会談で首相に再度翻意を促す構え。首相は26日の密会で太田代表や北側一雄幹事長から「誰のおかげで総理になれたと思ってるんだ」とどなられ、“麻生降ろし”をちらつかされても早期解散を拒否しており、今回も決意は変わらないとみられる。

 解散のタイミングについて自民党では〈1〉来年度予算編成後の「クリスマス解散」〈2〉来年度予算成立後の来年3月下旬〈3〉来夏の東京都議選直前−が浮上。一方で「来春までに決断できなければ麻生降ろしが始まる」(閣僚経験者)と物騒な声も漏れ始めている。

 一連の会談で公明党執行部の“麻生不信”は加速した。太田代表は26日の密会後、党幹部らに「麻生には戦略がない。先送りは最悪の判断だ」と吐き捨てた。セレブ首相の決断で、連立与党体制の空洞化は覆い隠せなくなってきた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081029-00000055-sph-soci