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2008年10月29日(水) 11時20分

薬害ヤコブ病で死亡患者の遺族、国などを提訴 大津地裁産経新聞

 輸入硬膜の移植が原因で難病のクロイツフェルト・ヤコブ病に感染したとして患者の遺族が29日、国や製造元の「ビー・ブラウン社」(ドイツ)、硬膜輸入販売会社などを相手取り、計5780万円の損害賠償を求める訴えを大津地裁に起こした。

 薬害ヤコブ病の大津訴訟は昨年3月までに、提訴した患者ら42人すべての和解が成立。しかし同年11月、新たな患者1人が国などに損害賠償を求めて大津地裁に提訴している。

 追加提訴したのは、5月に亡くなった大阪府の男性=当時(56)=の遺族4人。訴状によると、男性は昭和60年10月に河内総合病院で硬膜移植の手術を受け、約22年後の昨年5月に発症、今年5月18日に死亡した。

 原告代理人で薬害ヤコブ病大津訴訟弁護団長の中島晃弁護士は「薬害ヤコブ病は、潜伏期間が長く、今後も新たに被害者が発生する可能性があり、改めて被害の深刻さが浮き彫りになった」としている。

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