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2008年10月29日(水) 11時37分

東横イン 不法投棄容疑で前社長逮捕…松江の硫化水素発生毎日新聞

 松江市のホテル「東横イン松江駅前」地下から硫化水素が発生した事件で、島根県警は29日、東横イン(東京都大田区)の創業者で前社長の西田憲正容疑者(62)が、硫化水素の発生源となった建築廃材の投棄を指示したとして、廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで逮捕した。「投棄の伺いに同意した」と容疑を認めているという。県警は組織的事件とみて追及する。

 調べでは、西田容疑者は04年10〜12月に同ホテルの新築工事をした際、内装工事にあたったグループ会社「東横システム電建」元副社長、清原良昭被告(64)=同法違反罪で起訴=らに指示し、ホテル地下配管室に建築廃材約30トンを投棄した疑い。

 今年5月28日、投棄されていた石こうボードと雨水が化学反応し、硫化水素が発生。住民ら8人が気分が悪いなどと訴え病院で治療を受けた。配管室からは人の致死量に相当する最高約2000ppmの硫化水素が検出された。

 西田容疑者は86年1月に同社を設立。06年5月に取締役会会長に就任し、先月22日に役職を退いた。同社は今月22日現在、海外1店を含む192店のホテルを経営している。

 東横インを巡っては、横浜市に開業したホテル2棟が、いったん設置した身障者用駐車場などを完了検査を受けた後に勝手に撤去する改築工事をしていたことが06年1月に発覚。社長だった西田容疑者は記者会見で「時速60キロ制限の道を67〜68キロで走ってもまあいいかと思っていた」などと開き直り、障害者団体などの猛反発で態度を一変させた。

 重田訓矩・東横イン社長は「この事態を重く受け止め、二度とこのようなことがないよう再発防止とより一層のコンプライアンスに努めたい」とコメントした。

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