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2008年10月29日(水) 02時31分

<最高裁長官>竹崎博允氏の就任内定 異例の14人抜き毎日新聞

 11月21日に定年退官する島田仁郎(にろう)・最高裁長官(69)の後任となる第17代長官に、竹崎博允(ひろのぶ)・東京高裁長官(64)が就任することが内定した。最高裁判事を経ずに長官に就任するのは、故・第3代の横田喜三郎氏(1960年10月就任)以来で、先任の判事14人を飛び越える異例の抜てき人事となる。

 週内にも島田長官が官邸に麻生太郎首相を訪ねて竹崎氏を推薦する見通し。政府も最高裁の判断を尊重する意向で、近く閣議で正式に指名を決定し、天皇が任命する。最高裁長官の交代は06年10月以来で、9代連続で裁判官出身者が務めることになる。

 来年5月から始まる裁判員制度について、竹崎氏は制度設計に主導的な役割を果たしており、制度の円滑なスタートと定着に向けリーダーシップを期待されたとみられる。任期は14年7月までの5年8カ月となる。

 竹崎氏は裁判官出身で、主に刑事裁判を担当し、最高裁経理局長や同事務総長など司法行政の中枢を歩んだ。最高裁事務総長時代は、政府の司法制度改革審議会の提言を受け、裁判員制度づくりや04年5月の裁判員法成立に尽力した。88年には、米国で陪審制度を研究し報告書をまとめた経験もある。

 【略歴】

 竹崎 博允氏(たけさき・ひろのぶ)67年東京大法卒。69年判事補。最高裁経理局長・事務総長、名古屋高裁長官などを経て07年2月から東京高裁長官。岡山県出身。

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