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2008年10月29日(水) 02時30分

<新銀行東京>元行員、決算水増し指示 上限融資獲得狙い毎日新聞

 新銀行東京(本店・東京都新宿区)の融資を巡る詐欺事件で、逮捕された元新銀行東京契約社員、青木千代美容疑者(56)=町田市=が06年9月、不正融資の受け皿となった会社が上限いっぱいの5000万円の融資を得られるよう、決算報告書の年間売り上げを約3倍に水増しするよう具体的に指示していたことが分かった。警視庁捜査2課は、青木容疑者が豊富な行員経験を生かし、融資金の詐取を主導していたとみて追及する。

 調べでは、新銀行東京の融資基準は、5000万円を上限に融資先企業の1カ月の売り上げの3倍と定めている。

 青木容疑者が、ソフトウエア開発会社「アシストプラン」(大阪市)会長、大丸正志容疑者(46)側から不正融資を依頼された給排水設備会社「リフレックス」(中野区)の05年度の売り上げは約8000万円。1カ月に換算すると約650万円で、融資限度額は約2000万円だった。

 このため、青木容疑者は以前の勤務先の同僚で旧知の金融ブローカー、渡部善和容疑者(49)を通じてリ社に水増しを指示。05年度の売り上げは、上限の融資が可能となる2億3000万円に改ざんされたという。

 また、不正発覚を防ぐため、融資後しばらくは返済を続けるよう指南。実行の翌月から9回計750万円を返済させていた。

 関係者によると、青木容疑者は約17年前まで大手都市銀行で営業を担当。転職を経て06年1月からは営業専門の契約社員「専担」として新銀行に入行。在籍1年3カ月で約100件23億円の融資を獲得するなど、優秀な行員として知られていたという。【杉本修作、酒井祥宏、山本太一】

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