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2008年10月29日(水) 11時02分

県雇用支援協会:補助金を裏金に 支出額は数百万円−−会計検査院指摘 /静岡毎日新聞

 ◇02〜06年度調査
 社団法人「県雇用支援協会」(静岡市葵区)が、今年4月の統合前の2団体に交付された国の補助金について、会計検査院から「不適切な支出があった」と指摘されていたことが28日までに分かった。カラ出張や物品の架空注文で裏金を捻出(ねんしゅつ)し、備品購入や飲食費に充てたケースもあり、調査対象の02〜06年度の5年間で不適正支出額は計数百万円に上るという。同協会は、早急に支出額を確定し、返還する方針。
 同協会は「県障害者雇用促進協会」と「県雇用開発協会」が今年4月に統合して発足した。高齢者や障害者を対象に就職支援セミナーや雇用相談などを実施している。
 同協会によると、会計検査院は6月下旬、旧2団体が独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機構」(東京都)から受け取った、セミナー開催などの委託事業費の使い道と経理処理を立ち入り調査した。その結果、カラ出張や宿泊費の水増し、物品費の不正支出が判明。物品を架空注文して取引業者に裏金をプールする「預け」と呼ばれるケースもあり、捻出された裏金は、懇親会などの飲食費や備品の購入に充てられていたという。
 同協会では、経理処理の際、領収書の添付などが義務付けられていなかった。八木正敏事務局長は「領収書添付を徹底するなど、処理方法を改めた。再発防止に努めたい」と話している。【松久英子】

10月29日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081029-00000001-mailo-l22