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2008年10月28日(火) 00時29分

銀行家をユダヤ人に例え擁護=シンクタンク所長に批判−独時事通信

 【ベルリン27日時事】ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の過去を持つドイツで、有力シンクタンクのIFO経済研究所のジン所長が、金融危機の責任をめぐり、ユダヤ人を例えに持ち出して銀行の経営陣を擁護し批判にさらされている。
 ジン所長は27日付の独紙ターゲスシュピーゲルとのインタビューで、「危機の際には責任者やスケープゴート探しが行われる。ドイツでは1929年の大恐慌でユダヤ人に矛先が向けられた。今は銀行経営陣だ」と述べた。
 同国では銀行経営陣の高額報酬への反発が強く、金融救済策を利用する場合、経営陣の報酬が年50万ユーロ(約5800万円)に制限されるほか、退職金やボーナス支給が禁じられるなど厳しい条件が設けられた。
 地元メディアによれば、ジン所長の発言に対し、独ユダヤ人中央評議会幹部は「銀行経営陣が殺されたり強制収容所に入れられたりしたとは聞いたことがない」と同列に論じられたことに猛反発。同所長は「ユダヤ人がたどった運命と銀行経営陣の現状とを比べる意図はなかった」と謝罪に追い込まれた。 

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