2008年10月28日(火) 15時02分

＜詐欺＞株買い付け名目で３９億円、経営者逮捕　神奈川県警（毎日新聞）

　「少ない資金で大きな取引ができる」などと持ちかけ、株買い付け資金名目で現金をだまし取ったとして、神奈川県警生活経済課などは、東京都中央区の貸金業「トーキョーユニオン」実質的経営者で台東区竜泉、永井幹夫容疑者（６０）を詐欺容疑で逮捕した。中央区の社長の女（７６）ら同社関係者数人も同容疑で逮捕する。被害者は全国で約１２００人以上、被害総額は約３９億円に上るとみられ、県警は全容解明を急ぐ。

　調べでは、永井容疑者らは０６年１〜９月、東京都世田谷区の無職男性（９１）ら投資家３人から現金計１４２万円をだまし取った疑い。「値上がりしそうな株がある。株の買い付け金の２割を負担すれば、残り８割を融資する」などと持ちかける「二八商法」の手口で勧誘。全国の一般投資家に宣伝しながら実際は購入せず、「融資した分の担保として株券を預かる」などと説明した上、取引明細を記載した偽の「売買報告書」を渡して信用させていたらしい。

　民間調査会社などによると、トーキョーユニオンは９１年６月設立。社長の女は９７年５月ごろ知人男性から引き継いだ。０７年２月には、無登録で貸金業に携わっていた社員がいたとして、東京都から貸金業登録取り消しの行政処分を受け、今は営業停止中。県警は０６年、同社や関連先を証券取引法違反容疑などで家宅捜索していた。

　二八商法を巡る詐欺事件の被害総額としては▽元金融会社社長らが４２３人から約９億６０００万円（００年、愛知県警）▽元豊田商事幹部らが約２３０人から計４億８０００万円（０３年、警視庁）▽金融業社長らが約１０００人から約３３億円（０４年、同）−−などがある。【吉住遊】

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