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2008年10月28日(火) 00時25分

【金融危機】急速な円高で経団連会長「市場介入を」産経新聞

 日経平均株価が27日、バブル経済崩壊後の安値水準を更新するなど金融市場の混乱を受けて、産業界から悲鳴が上がっている。日本経団連の御手洗冨士夫会長は同日の定例会見で、株安の原因ともなっている急速な円高を是正するため、「為替介入すべき」と政府・日銀に市場介入を求めたほか、日本商工会議所の岡村正会頭も「総合的な市場安定策を直ちに実行してもらいたい」と訴えた。政府は同日、緊急市場安定化策をまとめたが、実効性を疑問視する見方も多く、産業界のいらだちは募る一方だ。

 御手洗会長は「世界経済が危機的状況に直面しており、急激な為替変動は企業活動にまったく好ましくない」と危機感を訴えた。その上で、株価下落によって企業財務が悪化していることを踏まえ「主要国が共通して、緊急避難的に時価会計の停止も検討に値する」と一層の経済対策の必要性を強調した。

 岡村正会頭もこの日の談話で、株価下落により「金融機関の自己資本が大幅に目減りするのを放置すれば、貸し渋りを招き、中小企業をさらに苦境に陥れ、国民生活にも影響が及ぶ」と懸念を表明した。

 また、経済同友会の桜井正光代表幹事は「金融機関や企業の業績から見て最近の株価急落は明らかに行き過ぎ」とする談話を発表した。そのうえで、桜井氏は政府に対し「金融市場の安定化に向けた明確なメッセージと実効性のある政策総動員」を求めた。

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