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2008年10月28日(火) 08時05分

首相、解散準備も指示 煙幕? 先送りの流れ変わらず産経新聞

 麻生太郎首相は27日、内閣官房に対し、11月7日までのいつ衆院を解散しても対応できるように準備を進めることを指示した。早期解散を求める民主党が国会対応などで態度を硬化させているため、煙幕を張って先送り論を弱める意図とみられる。ただ、麻生首相は26日夜、公明党の太田昭宏代表と会談し、早期に解散しない意向を示唆しており、年内の衆院選見送りの流れは変わっていない。麻生首相は11月初旬に解散の是非を決断するとみられる。

 首相は26日夜、都内のホテルで公明党の太田昭宏代表とひそかに会談した。太田氏は「先延ばしにすればするほど経済状況は悪くなる。早く国民に信を問わなければ安倍政権、福田政権の二の舞になる」などと述べ、11月18日公示、30日投開票に向けて早期に解散すべきだと訴えた。首相は解散について明言を避けたが、世界的な経済危機の広がりに強い懸念を示し、衆院選の先送りは「やむなし」との意向もにじませたという。これを受けて、公明党は支持母体の創価学会に11月中の衆院選は見送られるとの見通しを伝えた。

 衆院選の先送りが決定的になれば、これまで国会審議に応じてきた民主党が徹底抗戦に転じ、海上自衛隊のインド洋での補給活動を継続するための新テロ対策特別措置法改正案などの審議が滞る公算が大きい。加えて金融不安解消のための金融機能強化法改正案の審議が止まり、景気がさらに悪化する可能性もある。

 11月18日に衆院選を公示するには同7日までに解散する必要がある。このため、首相は27日、漆間巌官房副長官らに解散準備を進めるよう指示、内閣官房は直ちに宮内庁などと解散に関する日程調整に入った。首相は国会情勢や経済情勢をギリギリまで見極めた上で解散の是非を決断する意向だとみられる。

 自民党執行部では、現在の経済情勢での早期解散は与党に不利だとの声が圧倒的に強いが、新テロ対策法案や経済政策を争点に与党への支持を訴えることが可能だとの見方もある。

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