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2008年10月28日(火) 19時00分

模擬裁判始まる/横浜地裁小田原支部カナロコ

 来年五月の裁判員制度開始に向けた模擬裁判が二十八日、横浜地裁小田原支部で始まった。裁判員の選任手続きから三十日の判決まで、民間から裁判員となった六人に参加してもらい、連日集中して審理する。法廷や評議室が改修され、同支部では初の本格的な模擬裁判となる。

 同支部管内の小田原、平塚両市内の企業などに裁判員としての参加協力を呼び掛け実現した。同支部は本番同様に、事前に裁判員の候補者名簿を作成。その中からくじで選ばれた約五十人に呼び出し状を送り、裁判員法で辞退が認められた候補者を除く約三十五人が集まった。

 想定は、愛人の男を包丁で刺し殺したとして殺人罪に問われた女の公判。初日は選任手続きから冒頭陳述、証人尋問までが行われた。

 参加者は「被告や被害者と特別な関係があるか」などを問う質問票に回答、さらに法曹三者による質問手続きを受けた。「妻の手術に立ち会う」との理由で、男性一人の参加辞退が認められ、残りの候補者から抽選くじで、裁判員六人と補充裁判員一人が選任された。

 冒頭陳述では、検察、弁護側ともに新設されたモニターを駆使。これまでは書面でのやりとりが中心だったが、裁判員を意識して視覚に訴えるものとなった。抑揚を付けて話したり、専門用語を避けるなどの工夫も見られた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081028-00000019-kana-l14