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2008年10月27日(月) 23時38分

【金融危機】引き金は「メガバンクショック」 証券街では恨み節産経新聞

 バブル崩壊後最安値を更新した27日の東京株式市場で、急落の引き金を引いたのは、金融危機の拡大で業績が悪化する国内金融機関だった。資本増強に動き出したメガバンクを筆頭に、ストップ安の金融株が続出。国内でも台頭してきた金融システム不安が、急落の続く相場を一層押し下げる懸念が広がっている。

 「メガバンクショックだ」−。東京・日本橋兜町の証券街では、金融株への恨み節が聞かれた。

 3メガバンクは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が前週末終値比100円安の583円、みずほFGも4万円安の23万円、三井住友FGは5万円安の38万5000円と一時ストップ安の急落。地銀では群馬銀行や鹿児島銀行なども一時ストップ安まで売り込まれた。野村ホールディングスが151円安の904円で平成11年3月以来となる1000円割れとなり、東京海上HDやオリックスは年初来安値を更新した。

 欧米に比べて金融危機の影響は軽微とみられた邦銀の経営に不透明感が強まり、市場では「日本でも金融システムリスクが高まってきた」(外資系証券)との不安が台頭。貸し渋りの広がりを懸念する見方もあり、幅広い業種に連鎖売りが広がった。

 日興コーディアル証券の馬淵治好国際市場分析部長は「市場や投資家は金融機関の資本政策に不安を感じている」と指摘する。欧米金融機関に出資攻勢をかける一方で、自ら増資するメガバンクなどに対し、馬淵氏は「投資家に資本政策に整合性がないと疑問視されても仕方ない」と辛口だ。

 増資で発行済み株式数が増えれば、既存株主の利益が希薄化するため、自社株買いなど既存株主対策を取る必要性も考えられる。

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