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2008年10月27日(月) 02時30分

<金融危機>「早期是正」運用緩和へ…金融機関健全化に猶予毎日新聞

 政府・与党は26日、金融機関の健全性を示す自己資本比率(総資産に占める自己資本の割合)が一定水準を下回った場合に業務改善命令などを発動する「早期是正措置」の運用を緩和する検討に入った。金融危機で株価が暴落していることを受けた緊急措置。保有株式の評価損処理で自己資本比率が急低下しても、自動的に経営責任やリストラなどを求めず、金融機関が資本増強などを進めることができるようにする。

 具体的には、08年9月末や09年3月末に保有株式の評価損処理で金融機関の自己資本比率が健全性の目安(地銀などは4%、大手行は8%)を割り込んでも直ちに早期是正措置の対象とはしない。

 自力での資本増強や、政府が今国会での成立を見込む「金融機能強化法」による公的資金での資本注入などで財務基盤の充実を図る猶予を金融機関に与え、早期是正措置を恐れ急激な貸し渋りに走ることを避けたい考え。

 政府が検討中の「銀行等保有株式取得機構」による金融機関からの株式買い取り再開の実効性を上げる狙いもある。【永井大介】

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