記事登録
2008年10月26日(日) 00時40分

「周産期センター返上を」の意見 墨東病院内部で中国新聞

 複数の病院で受け入れを断られた妊婦(36)が亡くなった問題で、搬送をいったん断った後、受け入れた東京都立墨東病院内部から医師不足を理由に「総合周産期母子医療センターの看板を下ろしたい」などとする声が以前から上がっていたことが二十五日、分かった。都も、病院内で指定解除の要望が出ている事実を把握していた。

 墨東病院は五年前から産科医が定数九人に達しない状態が続いていた。関係者によると、同病院では週末の当直医が七月から一人になったが、それ以前から「このままでは周産期医療センターの看板を下ろさないとつらい」などの声が出ていた。

 しかし同病院は都立病院唯一の総合周産期母子医療センターで、墨田、江東、江戸川区の周産期医療の拠点病院。そのため「代わりの施設がない」と、現場の医師の努力で維持していたという。

 都病院経営本部によると、病院側との会合で「『看板を掲げていていいのか』との声が出ている」との報告を受けていたという。

 妊婦は今月四日、八病院に受け入れを断られ、墨東病院で赤ちゃんを出産後、脳内出血の手術を受け、三日後に死亡した。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200810260124.html