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2008年10月26日(日) 00時40分

世界の株価、混乱続く 金融当局、対応急ぐ中国新聞

 世界の株式市場の混乱が収まらない。日米欧の株価は二十五日までの一週間で4—12%下落し、今年の高値から軒並みほぼ半減した。金融危機は新興国にも飛び火し始めており、市場は一段の金融危機対策を催促。日米欧など各国の金融当局は対応を急ぐが、週明けの世界の株式市場は不安定な動きを続けそうだ。

 先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が十日、金融機関への公的資金による資本注入を盛り込んだ行動計画を発表。欧州各国は相次いで注入を実施したほか、米国も投入計画を公表済みだ。

 だが、十七日から二十四日までの主要国の株価を比較すると、日本は12・0%、ドイツが10・2%、米国が5・3%それぞれ下落した。各国市場の今年高値からの下落率は、日本が48%、ドイツ46%、米国36%を記録。ロシアは78%、インドは58%と新興国市場の売られ方も急だ。

 急落が続く市場の動きについて、金融当局は「明らかにオーバーシュート(行き過ぎ)」(日銀幹部)と判断している。しかし、金融面と実体経済の悪化が同時に進む「負の相乗効果」(白川方明しらかわ・まさあき日銀総裁)で、投資資金が市場から一斉に逃げ出す情勢となっている。

 行き過ぎた円高が国内経済に打撃を与えないよう、政府・日銀が為替介入に踏み切る可能性も浮上。政府は株価対策として、銀行が保有する株式の買い取りを再開する検討に入った。

 米メディアによると、米政府も発表済みの大手九行を含む三十以上の銀行に資本注入を実施する方針を固めたほか、保険会社に対する支援策を検討。英国やフランスでも金融機関への資本注入に向けた手続きを進めるなど、対策の規模を拡大する動きが広がっている。

 市場には「各国の資本注入や不良資産の買い取り規模が十分なのか不明」との不安がくすぶっている。新興国を含めた各国は十一月に、二十カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)や緊急首脳会合(サミット)を相次いで開く。危機を打開し、世界同時不況を回避できるかの瀬戸際にある。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200810260108.html