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2008年10月26日(日) 03時09分

「H2A」ロケットの燃料漏れ、検査手順書にも不備読売新聞

 今年2月に「H2A」ロケット14号機の打ち上げ延期原因となった2段目ロケットの燃料漏れは、三菱重工業による燃料タンクの製造不良に加え、これを防ぐ検査工程が宇宙航空研究開発機構の製造手順書になかったために起きたことが25日、わかった。

 タンクはこれまで44個製造されているが、不良が起きたのは今回が初めて。責任の所在を巡って双方譲らなかったが、最終的には不備を認め、総額2億円を超える延期費用を両者で負担することで決着した。

 燃料漏れは、2段目ロケット姿勢制御用タンク内で、調整弁を固定する「押さえリング」の取り付け不良が原因で、0・4ミリのすき間が生じたために起きた。

 三菱重工業は、宇宙機構の手順書通りに点検したもので、製造不良には当たらないと主張。これに対し、宇宙機構は、1994年の大型ロケット「H2」初号機から「H2A」13号機まで計20機で使った44個の同型のタンクは不具合はなかったとして、手順書通りであれば問題はないと反論した。

 両者の言い分は平行線をたどり、7か月にも及ぶ調査でも結論はでなかった。このため、タンク補修費は、三菱重工業が1億円、手順書を作成した宇宙機構が、延期に伴う諸経費1億2000万円を負担することで合意した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081026-00000005-yom-sci